建具カタログ2024-2025
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太た蟻こ子腰型7◆建具は一般的に、上桟と下桟の間に格子を組み込みますが鬢太格子の場合は上桟と下桟に格子が伸びた作りになります。◆空間の間仕切格子などに、可動する建具と違った使い方が出来、昔ながらの町屋の雰囲気を思い起こす製品になります。◆門戸・高級板戸等、釘やビス等で留めると見映えがよくない箇所に、棒材と板ものを接合する工法を「蟻を切る」といいます。◆蟻ミゾのミゾ幅に長短の差(各々3mmずつくらい)を付けることで、蟻枘がぴったり納まり、胴付き部分に隙間が生まれません。いったんはめるとガタつかず、綺麗に仕上がります。◆組子を曲線に組んだものを一般には「曲げ物」と呼んでいます。用途は、障子、書院障子、天井格子等で、主に装飾として用いられます。素材は、檜、ヒバ、スプルース等、曲がりやすい素直な木が適しています。◆組手(竪と横の交差するところ)部分は、目の細かな胴付き鋸を使い、曲がりの角度に合わせて斜めに切りかいていきます。曲げ組子の場合は、一方方向に組んでいく「片組手工法」を用います。◆縁甲板張りとは、廊下の床板を均等に張ったものを言います。建具の場合、同様に羽目板を製作して均等に張ります。芯の構造がフラッシュドアの仕様と同じになり全面に板を張ります。◆木の温かさを感じられ重量感のある建具になります。◆双方を合わせた時にアールになるように仕上げるのを「角丸」といいます。◆段差が付いた平几張面の面同士は、互いに45°の角度でぴったり合わせる際に技が要求されます。◆竪材と横材が交わる箇所を「胴付き」といい、「胴付き」を納める一つの方法として「腰型」という技術があります。見映えが良い上に、温度・湿度の変化に耐え、何年経っても一分の隙間も生じない高度な工法です。◆「トキン」とは面の形状の名称で、山型の五角形にとられた面のことを「トキン面」といいます。語源は、山伏のかぶり物の形から由来しています。◆「トキン組」は竪と横、両方の組子に「トキン面」を使用し、大変微妙で高度な技が要求され、名人技の頂点を極める技術といっても過言ではありません。びんありありほぞ ・蟻蟻くみこしかた(角すみまる丸・平ひら き ちょうめん几張面)格子ミゾ(スイツキ)曲げ組縁甲板張りトキン組■ 建具の仕口 (工法)鬢仕口について

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