ゆゆえんぬき(油煙抜)座敷にある障子上の小窓。縁側にあるため縁抜ともいわれているが、昔は灯火に油を使用したため、油の煙を出すための窓なので油煙抜という。転じて煙抜ともいう。ゆきみしょうじ(雪見障子)上部を紙貼、下部をガラスとした障子。猫間障子とは異なる。ももくめ(杢目・木目)木材の縦断面に表われた木斑のこと。装飾的にすぐれたものを区別して杢の字を使うこともある。玉杢、じょりん杢、ちりめん杢等ある。もっこう(木瓜)ゆきのした科の落葉灌木で、観賞用。紋の名称。もっこうびし(木瓜菱)建具組子のうち、木瓜の形の菱組子。もん(紋)代々家に伝えられる章。家紋、定紋、紋章、紋書のこと。みみきりぶち(見切縁)壁の出角に付ける玉縁などのこと。または仕上材を変える場合に、その間に入れる細い材。みこみ(見込み)建具において、表面側を見付といい、側面側を見込という。厚さ、奥行またはその寸法。みすばり(御簾張)夏障子で、ミスを張ったもの。一般の葭戸、萩戸でも、立張でないものをミス張夏障子などともいう。また、ミス襖などといい、襖にミスを入れた建具などもある。みのばり(蓑張)ふへほまむめやよらりるれわなる斜方形。組子、紋所の名。ひしいげた(菱井桁)井桁の組子を菱形に組んだものをいう。ひしぐみこ(菱組子)建具用組子で菱形に組んだものをいう。一重菱、二重菱、三重菱、子持菱、業平菱、花形菱等各種あり。ひしとんぼ(菱蜻蛉)菱形の交叉点に十字の組子を散した形。びしゃもんきっこう(毘紗門亀甲)組子の名称。建具組子の最高技術を要す、むずかしい組み方である。毘紗門天の持つ剣の形を模したのでこの名がある。ひしらんま(菱欄間)菱を基調とした欄間。ひだりまえ(左前)古来より日本の着物は右前に着て、左前は死者に着せ、商売が悪くなると左前になるという。建具の場合も二枚建の引違い戸は左前をきらい、右前に建て込むことを定法とする。ひとすじ(一筋)鴨居、敷居等の溝が1本のもの。ひょうぐ(表具)紙又は布を張って、巻物や掛軸や襖としたもの。表具師はその業者。びょうぶ(屏風)室内に立てて風をさえぎり、又は物をおおう装飾のための家具。襖状のものを2枚、4枚、6枚に折りたたむもの、又は茶室に用いる風炉先のようなものとその種類は多く、組子入のものも多い。ひらじょいん(平書院)床脇に障子と並んで平に書院障子と欄間を取り付けたもの。出書院に対するもの。最近の書院はこれが多い。びんた(鬢太)建具仕口のうち、門扉や上げ下げ窓の横桟を框にカキ込む場合がある。このカキ込む脇面をいう。語源は昔の婦人が、髪を結った際の鬢を多く出した形からとったもの。大工の仕口にもビンタ留、ビンタ欠き等がある。ぶ(分)1寸の10分の1、即ち3.03ミリ。ふきよせ(吹寄せ)格子の子や障子の組子を、2本又は3本寄せて組むことをいう。ふくろばり(袋張り)襖紙の下張りを周りだけのりをつけて張る張り方。ふすま(襖)衾障子の別名で、唐紙のこと。骨組の上を紙又は布で貼った建具。ふすましょうじ(衾・襖障子)唐より唐紙が輸入されてから、衾間の周囲に唐紙障子を造って建て、これを唐紙又は衾という。普通に言われる障子を明り障子というのに対して用いられる。ふち(縁)へり、めぐり、まわりのこと。襖障子などは、框、横桟をいう。フラッシュドア框の上から合板等を接着し、表面に桟や框を出さない戸。へいこうがんすいりつ(平衡含水率)一定の温度と湿度において平衡状態となった木材と木材に含まれる水分の量との率。断熱効果がある。べんまど(便窓)便所小窓の障子。又は硝子戸のことで、便窓硝子。又は便窓障子という。ぼうず(坊主)組子の見付面を丸くすること。坊主面。ほうだて(方立)門や出入口などに扉を受けるため設置したものだが、建具職などは門木戸の中央に、薄い柱を立てて納めたものをいう。ほうばり(方張)形を直すために突張りすること。建具職が障子の建付けを直すため、青竹を割って、まいらど(舞良戸)板戸の間に小桟が多く入れてある戸。小桟間入戸が転じて、舞良戸となったもの。まがねくみこ(真金組子)建具組物の組子の内で、四角の地租又は四角に組む組子。まくいた(幕板)卓などの下、脚の間にある上方の垂直板、又は一般の建築物や指物建具にあって横に長い板のこと。まげきくみこ(曲木組子)明治初年、建具業界の名人、天狗の勝こと鈴木勝五郎が、当時の名鋸師、天神半兵衛が造った薄打胴付鋸で組子に鋸目を入れて曲げ、障子へ富士や山水を組み付けたものが初めで、現在では全国的に流行している建具組子技術の一種。他に薄い組子をはり合わせて曲げる方法もある。まさめ(柾目)製材面に表われた平行な木理。糸柾、粗柾などがある。ましがまち(増框)引違いの外側の建具の下桟を下枠の勾配の分だけ太くすること。また戸当たり决りの分だけ框を太くすること。ますぐみ(桝組)障子の組子などで、方形に組んだ組子のものを桝組障子といい、建築界では、斗を合せたものをいう。まつかわびし(松皮菱)紋の1つ。建具組子のうち、欄間などの組子として一番多く造られる菱組の組子。まつばくずし(松葉崩し)松葉の形に似た障子の組子をいう。まなか(間中、間半)柱から柱まで1間の半分のこと。関西方面の建築は柱内1間あり、建具幅を間中といえば、1間2枚建のこと。まわしど(廻し戸)廊下の縁が出角で、戸袋より引出した雨戸を廻して戸締りをするために特殊な装置をする。まんじくみこ(卍組子)卍形に組んだ組子。まんじつなぎ(卍継ぎ)卍形の組子をつないだもの。障子の小間に方張りを入れて直すことがある。これを方張竹という。ほうらいさん(蓬莱山)中国の伝説で、東海中にある仙人の住む神山。松竹梅、鶴亀を配して、組付彫刻の図案によく用いられる。ほしあみ(干網)建具業者が、最高技術として障子組子へ網を干した形を組み入れたもので、江戸中期、尾形光琳が画いた図柄から考案されたと言われている。ほぞ(枘)継手、仕口で、穴に対する組み立てに必要な突起。ほそびき(細引)麻でより合せた縄。建具業者は、昔、腰板などをはぎ合わせるために用いた。ほねしばり(骨縛り)骨締めともいい、襖で下地の最初の紙貼り。ほんざね(本実)さねはぎ、さねばりなどの場合、やといざねでなく、片方の矧ぎ口を凸に片方を凹としたもの。むそうあまど(無双雨戸)無双が取付けてある雨戸。むそうれんじ(無双連子)連子板を取り付け、裏側に同じ間隔の連子板に上下桟をつけて溝に入れ、これを左右に動かすことによって、空間が閉じたり開いたりできるようにしたもの。むぶし(無節)節のない材。四材面どこにも節のないものを四方無節、三材面にないものを三方無節、表・裏二材面にないものを対面二方無節、表面と側面の二方にないものを隣接二方無節、表面だけにないものを一方無節という。むら(斑)表面が塗り斑、鉋斑など不同なこと。色がまだらでそろわぬこと。めいた(目板)板の継目の裏側に打つ幅のせまい板。めいぼく(銘木)普通の木材とくらべ鑑賞価値のすぐれたもの。唐木などのように変わった木材をいう。現在、銘木と言われる物は、紫檀・黒檀、タガヤサン、えんじゅ(槐)等の事を言う。めしあわせ(召合わせ)目仕合わせと書くのが正しく、2枚又は4枚の戸、障子の見込面の合わさる所のこと。めすかし(目透し)間を空けること。めすかしど(目透し戸)貫板をはなして打った戸。庭園などに用いられる。めちがいほぞ(目違い枘)大工の仕口で、短折枘等、目違い予防枘のこと。框の見付が表裏で異なるときの仕口に使う枘。また枘状をした継手の継ぎ際より突き出した部分をいう。めつぶしかごめ(目潰し籠目)書院障子で、干網などの組子に蛇籠を入れる場合に、仕口を自慢して籠目を目潰しにする事がある。組子工作として、最もむずかしいもの。めばち(目揆)塗装で目止めが良くできていないこと。メハジともいう。めん(面)材木や建具などの角を、他の形に削った跡をいう。建具にあっては、45度を角面といい、少し見込みにコケた面をコケ面、転じてサルのホホのコケたことによるサルボウ面、さらに転じてエテボウ面という。変わり面としては、南京面、銀杏面、几帳面、瓢箪面などがある。めんうち(面内)大工が木の太さを示すために用いる言葉。面を取った木材に対し、他材を面を除いた太さにすること。めんごし(面腰)面を取った木材が、45度に接触する場合は、留型を取るもので、腰肩または腰型を押すといい、この仕口をいう。やといさねはぎ(雇実矧)襖で中縛貼の上に半紙で2、3回返貼をすること。みのばん(美濃判)障子紙で美濃紙の大きさ(幅9寸2分)のもの。よこざる(横猿)雨戸又は開き戸などの締り金具のかわりに、木製で造った横へ動かす締り木。実際の名は横桟。寄せ猿、送り猿のことをいう場合もある。よしど(葭戸、葦戸)葭を用いた夏障子。よせざる(寄猿)上げザルの控の締木。猫ともいう。実は女木(メコ)のこと。送り猿ともいう。よつどめ(四ツ留)シノギ付の木を十文字に組み合わす仕口をいう。建具業者はトキン組という。よつめごうし(四ツ目格子)建具組子の内、真金組の部にある美しい組子、又は方形の目のある様に造った格子戸。よろいいた(鎧板)太陽の直射を防ぎ、通風をはかるため、斜めに間隔をおいてとりつける板。羽板のこと。らんま(欄間)天井と鴨居の間にある開口部をいう。昔の堂を伽藍といい、伽藍の上部の空間を伽藍間という、即ち藍間。この藍間に組木を入れたものが藍間組木で、これに縁をつけ建具としたものが藍間組子である。現在では欄間と書き、間仕切り又は書院上の建具をいい、窓や出入口上の明り取り、換気のための開口部もいう。組子欄間、板欄間、欄間硝子戸などがある。りょうめんとり(両面取)裏表、両面共組子の面を取ったもののこと。ルーバー羽根板を水平または鉛直に並べ、開口部に設けたもので、羽根板が固定したものと可動するものとがある。直射日光を遮ることを目的とするが、給排気口として扉に設けることもある。ガラリのこと。れんじ(連子)連はつらなり、子は木。すなわち木の連なったもののことで、窓や戸などの一部に木または竹を立て並べて嵌め込んだもの。れんじごうし(連子格子)組子を連子とした格子戸。または連子のこと。れんじまど(連子窓)連子を取り付けた窓。わきしょうじ(脇障子)社寺などの建築で、縁側の仕切りに造った障子(板戸が多い)のこと。わし(和紙)こうぞ、みつまた、がんぴ等の樹皮繊維をすいて作る日本紙。半紙・美濃・西の内・鳥の子などがあり、障子紙、襖紙などに用いられる。機械すきもあり、仙貨紙、パルプ半紙などがある。わりびし(割菱)紋の一つ。菱を4等分した形で、俗に武田菱という。普通、実矧は凹型と凸型に側面を取り矧ぐが、雇実矧は凹型と凹型とし、別の木を間に入れるもの。やりど(遣戸)引戸の古語。98
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