きくけこ木質の堅硬な広葉樹林、樫、欅等をいう。かたぎんなん(片銀杏)片几帳(カタキチョー)の銀杏面のこと。かたさじめん(片匙面)建具の面形の内にある名称で、さじめんの片方に几帳面のあるもの。かただ(堅田)書院やランマのスカシに用いられる近江八景の内堅田の落雁の模様をいう。かたながれ(片流れ)一方向にだけ勾配のある屋根、又屋根の棟より一方流れの軒までをいう。かためんとり(片面取り)建具の片方だけを面取りにすること。かね(矩)かねじゃく「曲尺」のこと。かねこうばい(矩勾配)45度の勾配。かねじゃく(曲尺)物差の目、通常尺度を計るため、古来より日本において用いられる尺度及び角度の基本を利用して作られた名器。その1尺は鯨尺の8寸に当たり、メートルにおいては約30.3センチ、インチにおいては約12インチとなる。かねのて(矩の手)直角のこと。かねば(矩場)直角である事。かねばを見る等と使う。かぶりめん(被面)入子面が建具框の上へ被さっている面。かまち(框)建具の周囲の木だが、縦木を框といい、横木は桟という。つまり上框、下框とは言わず、上桟、下桟という。大工は店先の化粧横木を上り框といい、その他にも床框、縁框という。かまつぎ(鎌継ぎ)建具工作上の仕口で、継ぎ手が鎌となったものはすべて鎌継ぎで、上げ鎌、落し鎌、込栓鎌、四方鎌等ある。かまほぞ(鎌枘)建具の横桟を上下より框に差込む仕口で、襖の上、下桟又は障子の腰、襟などの場合は総てこの仕口で、硝子戸の上桟など硝子を落し込んでする場合には、見込半分を鎌枘にし、片鎌枘にすることがある。かみざん(上桟)建具の上部の横桟をいう。かもい(鴨居)戸障子の開け建ての上部にある。横木溝鴨居、付け鴨居などがあり、字源からいえば上枝という。からかみ(唐紙)昔、原紙が唐より輸入されたことから襖用厚紙を唐紙という。からかみしょうじ(唐紙障子)紙を張ったものを襖といい、紋柄のあるものを唐紙障子をいう説もあるが、襖は食戸で昔、寝殿造りの建物の時食間という間が出来、これに建てた戸へ唐より輸入した厚紙を張った為、唐紙障子といい、薄紙を張ったものを明り障子という。障子という語は障木の意味で厚紙食戸も薄紙張りの腰高も衝立も屏風も総て障子だが、現在では部分毎に略称が出来、障子でいえば薄紙張りのものの事をいい、厚紙張りのものを唐紙又は襖という。からきだて(空木建て)建具を仕上げる前に一たん組み立ててみること。からくさ(唐草)蔓草の模様でからみ草のこと。唐紙の模様などに多く用いられる。ガラスざん(硝子桟)硝子戸の小桟のこと。ガラスしょうじ(硝子障子)紙の代りに硝子を入れた障子、即ち組子入硝子戸で関東では東(吾妻)障子といい、関西では裏硝子入障子という。ガラリ(羽板)細い羽板を斜めに取り付けたものをいう。昔、目隠しの塀で切り掛けと称したもの。即ち可動の羽板だが一般に取り付けた羽板もガラリという。ガラリど(鎧戸)羽板を斜めに入れ、空気抜きとした建具できうら(木裏)木材の両面の中、樹心に近い方をいい、反対を木表という。きおもて(木表)木裏の反対、樹心に遠い板面。きがら(木柄)見えがかり寸法のこと。きくいむし(木喰虫)木材の害虫でヒラタキクイムシ、フナクイムシ、キジラミ、キクイワラジムシ等の総称。きぐち(木口)木の切口のこと。職人はこぐちという。きごろし(木殺し)組子を組みやすくするために木を打ちしめること。きじ(木地)木材の木理のことだが、建具に色付けをしない場合など木地のままなどという。きちょう(几帳)台に柱を立て、これにとばりを掛けた昔の建具、貴人の座側に立てて障とした具。きちょうめん(几帳面)建具の面のとりかたの一種で、面に一筋の段(キザ)を入れたもの。昔の几帳の面に似て、この名がある。又物事をきちんとする事をいう。きっこうぐみこ(亀甲組子)亀甲形に組んだ建具の組子。三ツ組手に葉を入れた、桜亀甲、俵亀甲等多くの種類がある。きつねごうし(狐格子)規則正しく組んだ組子で、神社仏閣の破風等に用いられる。又木連格子ともいう。即ち木が連なっている格子なので、この名称の方が正しい。きつねど(狐戸)狐格子の裏に板を張った戸。きづれごうし(木連格子)建具業者の一般に造る、格子のみのもの又は板張りのものの総称で、狐格子のこと。きどりざい(木取り材)建具用材又は桶樽材の様なものを必要な寸法に挽いて、使用者が直ちに使用することの出来る様にした材。きねづか(杵束)形がきねに似ているところから上下のふくらんでいる束をいう。大工の小屋束、建具業者の腰板のハサミ束などにこの式のものがある。きはだ(木肌)木の樹皮を除いた表面、又は製材後の木理の状態。きょうぎ(経木)檜・松・柳などの木材を紙の様に薄く削ったもの。昔はこれに経文を写したため、この名がある。現在は菓子包み又は真田あみなどの材料に用いる。きょうま(京間)京都の建築にある特殊な間取り。一間を6尺3寸内法とするもの。きょくめんごうはん(曲面合板)特殊合板の一種で、曲面になっている合板。きよばり(清貼り)襖紙を張る時・奥張の下張の上に張るべた張りのこと。袋張りと上張りの中間に張るもの。昼は雨除け又は日除けの用をし、夜は戸締り、又は防寒の用をした。別の名を錣戸ともいい、明治時代の洋館の窓には総てこの戸を用いた。帝大講師として日本に来朝した建築界の恩人ジュサイヤユンデル氏の発明したものという。かんぬき(閂)扉を閉めて裏から固めるため、横木を通す。この横木が閂である。建具業者はこの他にも格子戸やその他に通す貫を俗にかんぬきを通すといっている。かんのんびらき(観音開き)左右両方へ一杯に開きうる扉をいい、厨子などの扉で中央二枚開き、更にその扉がそのまま次の左右の扉に続いて折りたためる様に工作されたもの。かんれいしゃ(寒冷紗)薄地の麻布や絹布。障子に張ることがある。きめ(木目)木材の面に出るもくめ。きりばり(切張り)障子紙などを切り張りする事。ぎんなんめん(銀杏面)銀杏の実に似た面形なのでこの名がある。南京面ともいう。くぐりど(潜り戸)くぐって入る入口の戸。くさび(楔)二つの材の接合を緊着させるために一方の材より他方の材へ三角形にした別の材を打ち込んで締めつけるもの。くさびしろ(楔代)楔を打つために前もって楔の入り代だけを取ること。くずふ(葛布)葛の繊維を取って織ってある布紙、襖紙に用いる。くちうま(口馬)建具の胴付けを本腰型にしないで口元だけを馬乗り(面蛇口)にする仕口をいう。くみこ(組子)組子の子という字は、木の変字で正しくは組木という。障子格子などの細い材を組む事。又その細い材そのものもいう。くみごうし(組格子)正式な格子の子は貫通しに造るべきもので略式にて組みつけた格子のこと。但し、大工など一般には格子を組格子ともいう。くみこどめ(組子止)パテを用いないで組子でガラスをとめる方法。くみて(組手)大工業者の桁などの組み合わせ、指物業者の箱の組み合わせ。建具業者の場合は、組子などの組手(クデ)。くもいた(雲板)雲の形を表した形で、大工は蟇股などを云い、建具業者は神棚などの幕板をいう。くもしょうじ(雲障子)油煙抜障子又は縁側障子といわれる、廊下に面した座敷障子上の小障子。高い所に嵌め込まれるためにこの名がある。くりど(繰り戸)一枚ずつ順に繰り出して開閉する戸のこと。現今の一筋溝雨戸は繰り戸である。くれくぎ(呉釘)頭のない釘、古語。けいた(蹴板)戸の下部の損傷を防ぐために下框に打ちつけた板。けこみ(蹴込み)家の入口にある縁下、階段の段と段との間の垂直部分。人力車などの腰掛の下などのことをいう。けしょうごうはん(化粧合板)表面に着色、印刷、塗装等を施した合板。けびき(毛引き)罫引(けいひき)のこと。けん(間)長さの単位で1間は6尺を表わす。又柱と柱の間を間という。けんきっこう(剣亀甲)三つ組手組子の内の一種で建具欄間組子の美しい組方。げんじぶすま(源氏襖)額入襖のことを関東地方でこういう。⇒額入襖けんどん(儉鈍)極めて物おしみのこと。但し、上げ落しすることをケンドンという。昔、江戸の屋台うどん屋が客の求めに応じて一杯椀売り、勧めもしないで極めて無愛想なためツンケンウドンヤの意味でケンドン屋といったのがこの種の言に一膳飯屋を倹鈍屋、安価なそば切りをケンドンソバという。げんぼく(原木)製材されていない丸太のままの材木。こあないれ(小穴入れ)小穴を掘って接ぐこと。こあなじゃくり(小穴决り)建具業者が使用する硝子小穴用機械决り。こあなつき(小穴突き)小穴を突くこと。又小穴决りのこと。こあなつぎ(小穴継ぎ)小穴を突いて板をはめ込む継手。ごう(合)地積の単位。1坪の10分の1又は容量の単位。1升の10分の1。こうし(格子)昔から製作された建具の名称。細い角の木を組んだものの名、即ち角は格のことで子は木の音である。こうじぐみ(香手組)香の図を図案化した障子の桟の組み方の一種。こうしど(格子戸)隔子戸とも書く。格子の入った戸のこと。ごうてんじょう(格天井)格子形に組んで板を張ってある天井。こうのずくみこ(香の図組子)一般にはこうづくみこと云う。香の図柄に似ている組子なのでそう呼ぶ。一重香図、二重香図等ある。こきほぞ(扱枘)先にいくにしたがって細くなっている枘。こく(石)木材の材積の単位で10立方尺のこと。メートル法に換算すると0.278㎥。容積の単位としての石は約180ℓを指す。こくそ(粉糞)漆塗で合わせ目に入れる瀬〆、漆喰塗に用いる刻み麻、建具などの補修にノリの中へ鋸屑などを入れてねったものなどのことをいう。こぐち(木口)木材の端、木材を横(繊維方向に直角)に切った切り口。こざる(小猿)小桟のあやまりで横桟上げ桟、落し桟のこと。ごさんのきり(五三の桐)非常に多い紋所の一種。桐の花と葉の模様で花の数が中央が五つに左右が三つでこの名がある。五七の桐は花の数が五つと七つである。こし(腰)建物では床面に近い下方の壁。建具では上部をガラス下部を板張り寺とした場合の下部をいう。こしいた(腰板)障子又は硝子戸の下部に入れた板。こしうま(腰馬)腰型面形を被せる仕口。(馬乗り)。跨る意味。こしをおす(腰を押す)建具の腰型を面形だけかき取ること。こしかた(腰型)胴付を取りつけたキワをいう。こしからと(腰唐戸)下部を唐戸とし、上部を組子又は硝子枠とした扉。こしぐみ(腰組み)階上の縁等を支える斗組。又、建具の場合には腰の方だけ組子を組むこと。こしざん(腰桟)唐戸の中央より少し下にある横桟、帯桟ともいう。こししょうじ(腰障子)障子の下部に腰板のあるものは腰障子だが、腰高障子の部類で普通のものは座敷障子といい、半月腰を木地腰、舞食入のものを打子物という。こしだかがらすど(腰高硝子戸)並の腰より高い腰板の硝子戸。こしだかしょうじ(腰高障子)腰板の部分が普通より高い腰障子。こしつきがらすど(腰付硝子戸)腰を板張りにして、上部に硝子を入れた戸。こねほぞ(小根枘)建具の上下桟等に目違い止めのために小根付とする仕口。こぶし(小節)小さい木の節。こまがえし(駒返し)建具の組子の見付と間を同一にする仕口。3分駒返しといえば組子3分、アキ3分と107
元のページ ../index.html#109